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ホーム > スタッフブログ > 2021年03月23日

木材の抗ウイルス・抗菌作用

こんにちはつよぽんです。
先日は木が免疫を高めるという話題を書きましたが今回は木の抗ウイルス作用についての話題です。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)の大流行により「新しい生活様式」がスタンダードになりつつある社会の中で、今改めて注目が集まっている
のが抗ウイルス・抗菌作用です。
身の回りを清潔に保つことは、朝の検温やマスク着用の習慣化と共に、日常の一部となっていくでしょう。
ドラッグストアでは、感染症対策として数多くの予防グッズが販売されていますが、実は私達にとって身近な木材にも天然の抗ウイルス・抗菌作用があるのです。
今回は、より健康的で快適なおうち時間を過ごす上で役立つ、木材の抗ウイルス・抗菌作用についてご紹介していきます。

 

木材は、インフルエンザウイルスをはじめとするウイルス感染症に対して一定の抑制効果があることが確認されています。
木造校舎と鉄筋コンクリートの校舎を対象にした調査では、木造校舎のほうがインフルエンザによる学級閉鎖の割合が低くなるという結果が得られました。
さらに鉄筋コンクリートの校舎であっても、内装材に木を多く使用した場合には、木造校舎と同じくインフルエンザによる学級閉鎖の割合が低くなることがわかっています。
つまり空間に木材を使用したほうが、ウイルス感染症に飛沫感染するリスクが少なくなるということです
(当然に全てのウイルス感染症に必ずしも有効かどうかが証明されているわけではありません)。

>再生可能な木材をもっと使いたいですね!

これは、木材が持つ「調湿作用」による効果ではないかと考えられます。
木材は、空気が乾燥している状態では、材中に含まれている水分を吐き出して収縮し、湿気の多い状態では、空気中の余分な湿気を吸収して膨張します。
天然のエアーコンディショナーとして、湿度を調整してくれるのです。
インフルエンザウイルスは、高温多湿の環境では生存率が低下することで知られており、気温20°以上、湿度50~60%の環境下で最も生存率が低くなります。
木材の調湿効果でお部屋の中の湿度を保ち、乾燥を防ぐことができれば、ウイルス感染症対策にも繋がります。

>壁に漆喰を塗るともっと調湿採用が高まりますね。

また、ウイルスが持つ感染力の持続時間について調べた実験では、ヒノキ材が、ゴムやペットボトルなどの物質に比べ、素早くウイルスの感染力を低下させることが確認されています。


単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルスという3種類のウイルスを付着させたところ、ペットボトルとゴムに付着させたインフルエンザウイルスとポリオウイルスは20分経過しても当初の感染力を維持したままであるのに対し、ヒノキ材に付着させたウイルスは3種類全てにおいて10分経過した時点で感染力が減少する様子が見られました。

>スタッフブログ   新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?──実験結果

これは、材の撥水性の有無による違いではないかと示唆されています。
ヒノキ材をはじめとする木材は、ゴムやペットボトルといった水を弾く物質とは対照的に、水分を吸い込み乾燥させるという特徴を持ちます。
ウイルスが付着した部分の水分が乾燥する速度に比例して、ウイルスの感染力の持続時間は短くなる傾向にあるのです。
ウイルスの主な感染経路としては「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」などが挙げられますが、このうち「接触感染」はウイルスが付着した場所に触れた手で、鼻や口といった粘膜を触ることが原因での感染を指します。
ヒノキ材のようにウイルスの感染力を素早く減少させてくれる材を身の回りに使用することは、こうした接触感染を防ぐ上で有効であると言えるでしょう。

 

平成28年度「奈良の木で健康になる」実証事業(奈良県農林部奈良の木ブランド課)試験結果.4 ウイルスの不活化
【緒言】
日本では少子高齢化が進み、子供の健やかな成長と、高齢者の健康寿命の延伸が今まで以上に求められている。
木材は健康に良いと言われているが、実証データは充分とは言えず、奈良県産材を用いた試験結果も見当たらない。
そこで、奈良県農林部奈良の木ブランド課では、平成28年度に「奈良の木で健康になる」実証事業を実施し、奈良県産スギ材とヒノキ材が疾病予防につながる性質を有するかどうかを検証した。
【実験方法】
(1)材料
奈良県吉野郡川上村の人工林で生育した約100年生のスギ材とヒノキ材を使用した。
いずれも2016年に伐採されたもので、長さ3mの丸太のうち末の1.5m分を厚み20mmの板に製材し天然乾燥させた。
試験には心材部分を使用した。参考とするために、天然乾燥させた他県産のスギ材およびヒノキ材も使用した。
(2)試験
ISO 18184(繊維製品の抗ウイルス性試験)を参考に実施した。
すなわち、スギ材およびヒノキ材の木粉(1mmメッシュパス)0.4gをバイアル瓶に入れ、インフルエンザウイルスA型(H3N2)液0.2mlを接種し、25℃で2時間接触させた。
SCDLP培地20mlを加え、木粉からウイルスを洗い出し、洗い出した液のウイルス感染価(感染力のあるウイルスの量)をプラーク法により測定した。
繰り返し数は3とした。
比較のために、鉄粉またはポリプロピレン粉に接触させた場合および材料無添加の場合も試験した。
なお、本試験は、奈良県外の専門試験機関に依頼して実施した。
【結果および考察】
下図に示すように、奈良県産のスギ材やヒノキ材に接触すると、感染力のあるインフルエンザウイルスの数が減少することが明らかになった。

抗ウイルス活性値
数値が高いほど、インフルエンザウイルスの不活化に効果があることを示す(不活化とは、感染力のあるウイルスの数を減らすこと)
ヒノキ材は、抗ウイルス活性値が非常に高い。(4.3は検出限界)
インフルエンザウイルス 感染抑制力 :奈良ヒノキ = 他県ヒノキ > 他県スギ > 奈良スギ
壁材や手すりなど、人の手が触れる場所にヒノキ材を使用すると、インフルエンザの感染拡大を抑制できる可能性がある。

>無垢材には抗ウイルス作用が有るのですね。

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建築   2021/03/23  

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