スタッフブログ

ホーム > スタッフブログ > 日本酒 > なぜ日本酒に限って、温めて飲むのか?(2)

なぜ日本酒に限って、温めて飲むのか?(2)

日本人の知恵と独創の歴史をまとめた「梅干と日本刀」(樋口清之著)からの抜粋です。
最近は、日本酒離れ→焼酎へと進行しているようですが、日本酒の特殊性を知ることで上手な付き合い方が見つかるのではないでしょうか。

こんにちはつよぽんです
熱燗の話の続きです。
最近は冷した日本酒ばかりですね。

前回のお酒の会の日本酒
前回のお酒の会の日本酒です。

こうしてできた上澄みを杉樽に入れる。昔は壷に入れて、腐りかけると杉の新芽を漬ける。
杉はフーゼル油という油脂を持っている。杉のヤニなのだが、このフーゼル油は防腐作用を持っている。
だから、昔の酒屋は杉の新芽をたくさん用意してあった。

酒林
奈良県の大神神社という酒の神さまを祀る神社は、杉の新芽でつくった玉を売っている。
昔、酒屋はそれを買ってきて、酒が腐りかけると、漬ける。すると元にもどる。
その杉を束ねたものを酒林(さかばやし)と呼ぶ、酒屋には昔、それを門口に吊ってあった。
だから酒林が吊ってあると、「あそこは酒屋だ」と分かるわけで、これが日本の看板の元祖である。
このフーゼル油は、レモンの皮にも含まれているが、結局、運搬するときの樽を杉で作ればいいから、江戸時代になって酒樽は杉樽になった。

日本人は杉を建材に使ったせいもあるが、杉のフーゼル油が染み込んだ酒の匂いを樽酒と言って喜ぶ。

江戸まで運んでいった酒を“下り酒”、それを上方に持って帰ったのが“戻り酒”、江戸まで馬の背に積んで揺られて酵熟した酒がもう一度、東海道五十三次を戻ってくる。

この戻り酒が非常に高い。なぜかというと、結局、杉の木のフーゼル油の香りが、全体に程よく広がって酵熟しているからだ。

だが実をいうと、フーゼル油というのは揮発性の油で、これを摂取すると脳神経を犯されて頭が痛くなる。
世界中の酒で、飲む前に温めるのは、中国の一部の酒と日本酒だけである。日本酒をお燗するのは、このフーゼル油を揮発させるためである。

>昔の人はすごいですね

冷たいままで飲むと頭が痛くなったりする。
にもかかわらず、この杉樽の香りを好んで、高いお金を出して飲むというのだから、変わっているといえば、変わっている。
>熱燗なら温めたときにアルコール分が飛んで、肝臓にやさしいのでは? とも思えますね。
しかしアルコールの沸点は約78度。熱燗は約60度、ぬる燗はさらに低く約45度ですから、残念ながらアルコールの量はどちらも冷酒とほぼ変わらないそうです。

使用前・後の酒林のようですね
>使用前・後の酒林のようですね。

日本酒   2014/09/28  
≪ なぜ日本酒に限って、温めて飲むのか?(1)  |  座敷わらしの宿、復活  ≫

 ブログの訪問有難うございました。

メールマガジン「カトケン通信」登録のフォームです。

メールアドレス
名前(姓)
名前(名)

資料請求・お問合せ

お電話