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ホーム > スタッフブログ > 2019年6月19日

判例が示す指針値の意味

こんにちはつよぽんです
シックハウスの裁判の記録です。
2018年1月の日経ホームビルダーの記事です。

屋内空気汚染による「シックハウス」が社会問題化してから約20年。

住宅会社が責任を問われる裁判は今も起こっている。
積水ハウスが提訴された裁判を通して、住宅会社の責任範囲を読み解く。
2016年9月に決着した裁判を取り上げる。争いの舞台となった住宅は、東京都内に完成した木造2階建ての戸建て住宅。
F☆☆☆☆建材を使い、建築時には住宅性能表示制度の建設評価で、「空気環境」の等級3を取得していた。
建築基準法で義務付けられている24時間換気装置は、全館空調システムが兼ねる仕様だった。

>F☆☆☆☆の建材ではシックハウスは無くなりません。

ホルムアルデヒドだけしか規制していません、他の揮発性化学物質は出放題です。

せめて総揮発性有機化合物(TVOC)暫定目標値の 400μg/m3を規制するとシックハウスの方も少なくなると思うのですが。

どこまで企業の方を向いているのでしょうか?

住宅の建て主だった夫妻は、入居後間もなく、そろって体調を崩した。
保健所の紹介を受けてシックハウスに詳しいクリニックを受診したところ、夫は「室内空気汚染の関与が疑われる上気道過敏症候群」、妻は「化学物質過敏症」と診断された。
建て主は仮住まいとなる賃貸マンションに転居。
12年8月、住宅を建てた積水ハウスに損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴した。

症状の原因は、室内が高濃度の揮発性有機化合物(VOC)で汚染されていたせいだ——。
建て主側は裁判でそう主張し、住宅には部分的な補修では済まない瑕疵があるとして、住宅の撤去費用や建て替え費用など合計9000万円の損害賠償を求めた。


提訴前に、建て主側は専門調査会社に依頼して室内の化学物質濃度を測定。
その結果を訴えの根拠とした。上図

測定結果では、VOCの1種であるアセトアルデヒドについて、多くの測定点で厚生労働省がガイドラインで定めた指針値を超過。
さらに、空気中のVOCの総量である総揮発性有機化合物(TVOC)は、ガイドラインの暫定目標値に比べて2倍近い数値が出ていた。

ただし、建基法の規制対象であるホルムアルデヒドやクロルピリホスについては、指針値の超過を確認できなかった。

このトラブルでは、建て主による提訴後に調停が行われた。

積水ハウス側が100万円を支払って和解する旨が提示されたものの、建て主側はこれを拒否。

裁判は判決に至った。

「契約違反」に当たらず
裁判所はこのトラブルをどう裁いたのか。

匠総合法律事務所の秋野卓生弁護士によると、シックハウス訴訟の争点は消費者救済の観点と、契約違反の観
点から類型化できる。この判決では主に後者の契約違反を中心に結論が導かれた。


この裁判における消費者救済の観点とは、引き渡された建物に居住したところ、室内空気汚染で健康被害が発生したという点だ。
一方の契約違反の観点とは、事業者側が「健康住宅」を宣伝文句として販売したにもかかわらず、現実には室内空気を汚染する建材を使っており、債務不履行が生じたという点に当たる。
東京地裁は判決で、建て主が住宅会社を契約違反に問える例はあり得ると認めたものの、今回のケースは該当しないと断じた。

>安全な住まいを願って建てているのに健康に影響が有っても建設会社の責任を追及出来ないとは。

 自分で調べて安全な建材を使うしかないのですね。


厚労省が示すガイドライン通りに様々な化学物質の空気中濃度を抑制するには、「材料を厳選したり、養生期間を長く確保したりするなどの特別の配慮」が必要だとみたのだ。

そのうえで、「現在の医学的知見、建築経済、技術水準を前提とする限り、現実的に困難」だと言及した。
加えて、建築計画の面から「工期は4カ月弱であり、通常の木造住宅と比較して特に長いわけでもないし、費用を上乗せしてでも材料を厳選したといった事情は見当たらない」と判断。

>化学物質を使わない建材を使えば問題がないです、裁判官は知らないのですね。

 現実的に困難とまで言い切っていますね、不勉強ですね。

契約の前提となった計画はそもそも、建て主がシックハウス症候群などを発症しないという結果を保証するものとまではいえないとした。

ガイドラインはあくまで目安
判決はさらに、厚労省のガイドラインに記す暫定目標値や指針値について、以下の見解を示した。
「室内空気の状態の目安として利用されることが期待されるのにとどまり、合理的に達成可能な最低基準ではない」そうした論拠に基づいて、東京地裁はこう判断した。


「健康被害の原因について、建材などからのVOCを疑うことは理解できるが、住宅の室内空気について居住用建物として通常有する品質を欠く状態にあるとか、生命、身体などを危険にさらすような建物としての基本的な安全性を欠く状態にあると認めるに足りる的確な証拠はない」

>ガイドラインも守れない建物に入居してシックハウスになったのに安全性を欠く状態ではないとは理解に苦しみます。


判決を不服とした建て主側は、東京高等裁判所へ控訴する。
だが16年9月、東京高裁も1審を支持。判決は確定した。
同高裁は、「TVOCの暫定目標値の超過が安全とはいえないとする知見はない」として、測定結果と症状の因果関係も否定した。
裁判結果は建て主に対して厳しい内容となった。

>裁判所も企業を向いていますね。

半面、住宅会社にとっては、厚労省が現在進めている指針値の見直しなどに関連した室内空気質への過剰な対応リスクは抑えられたといえる。

>現実にシックハウスになった人に室内空気質への過剰な対応リスクは抑えられたと言えるのでしょか。

安全な住まいでは無く危険な住まいという事でしょうか。

 
秋野弁護士も東京地裁が住宅会社側の責任範囲を示した点をとらえて、「一般の住宅会社にとって、安心材料だ」と話している。

>このままだとシックハウスの方を多くしてしまうだけです。

シックハウス問題に詳しい弁護士に聞く リスクを再認識し初期対応に磨きを


通常のシックハウス訴訟では、まずは不適切な施工、メーカーの施工要領に反するミスなどの違法行為が存在。
それが原因で「シックハウス被害を受けた」と居住者側が主張して紛争となるケースが多い。
だが今回の裁判は、居住者側が室内空気における化学物質濃度の測定結果を根拠として、約9000万円もの損害賠償を求めた事例だ。
建材が化学物質に配慮して製造されるようになり、シックハウス問題は過去の話だと思われている。

>シックハウスの相談件数は多くなっています。


しかし、こうした裁判を通じてリスクの存在を改めて認識してほしい。
本件では、建て主は住宅を退去し、賃貸マンションに仮住まいしてまで争ったが、請求は退けられた。
結果的に裁判を起こしたメリットはなかった。
一方の住宅会社にとっても、多額の請求を受けるとなれば相応の費用を覚悟しなければならない。

やはりメリットはなかっただろう。
健康に関わるだけに、シックハウス紛争は居住者も感情的になりがちだ。
結果論だが、「もうこの家には住めない」と居住者が諦めないように、初期段階から何とかして解決の道を探るべきだと、改めて感じている。


指針値を超過したら即裁判という流れだけは食い止めなければならない。
住宅会社には、引き続きユーザーの不安を解消する手立てが要る。
厚労省は現在、指針値を見直している(「厚生労働省の動き 指針値の新設は現時点で予定定まらず」参照)。
自社が採用する接着剤や塗料などについて、製品安全データシートを取り寄せるなど、引き続き関心を払ってほしい。


厚生労働省の動き 指針値の新設は現時点で予定定まらず
厚生労働省は2017年7月、シックハウスに関連するガイドラインに、新たに3物質を加える見直し案のパブリックコメントを実施した。上図
厚労省医薬・生活衛生局によると、17年11月時点では、建材メーカーなどから寄せられた意見についての検討に時間を要しており、見直しのスケジュールは確定していない。
実施されれば、ガイドラインで指針値を示す対象は合計16物質に増える。

厚労省はさらに8物質の新設も検討中だ。

>ガイドラインでは意味がなく規制値を出さないと。

見直し案は、既に指針値が定められている13物質のうち、4物質について濃度をより抑える。

例えば、キシレンは0.2ppmから0.05ppmへ、エチルベンゼンは0.88ppmから0.01ppmへ改める案とした。
指針値の改正案で示した数値については、現在判明している毒性からみて「ヒトがその濃度を一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響は受けない
だろうと判断される値を算出したもの」と厚労省は説明している。

>裁判所は測定結果と症状の因果関係も否定したとは。

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化学物質   2019/06/19  

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