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ホーム > スタッフブログ > 2019年06月25日

足元が寒い家で不健康(1)

こんにちはつよぽんです。
暖かい家に関する知見が沢山出てきましたね。
日経PBよりの転載です。

断熱性能に優れた家は、建て主にどのようなメリットをもたらすのか。
光熱費などの燃費の他、健康に影響を与えていると調査によって明らかになった。
スマートウェルネス住宅等推進調査委員会の中間報告から、新たな知見を紹介する。


「室温が安定すると血圧の季節差が小さくなる」「部屋間の温度差や足元付近(床近傍)の室温が血圧に影響を与える」「断熱改修をして室温が上がる
と、住宅内での活動量が増える」──。
住宅の室温と健康との間にどのような関係があるかを探る調査の過程で、新たな知見が浮かび上がってきた。
日本サステナブル建築協会は、住宅内の室温と健康の関係を探る「スマートウェルネス住宅等推進調査」を2014年から実施している。
この調査の第3回中間報告会が19年2月1日に行われた。
スマートウェルネス住宅等推進調査委員会の幹事と調査・解析小委員会の委員長を務める慶応義塾大学理工学部の伊香賀俊治教授らが発表した,

これまでの調査報告では、室温が低いほど血圧が高くなることや、心電図の異常所見などが多くなること、就寝前の室温が低いほど夜間頻尿のリスクが
高くなることなどについて発表されてきた。
今回は、これらの知見やデータに加えて、部屋間の室温差や床近傍の温度差による影響、疾病、身体活動量といった項目について分析し、得られつつある
新たな知見として7つの項目を報告した。

なかでも、家庭内での血圧について詳細な数値が得られていることや、部屋間の室温差、床近傍の温度の違いがもたらす健康への影響などが分かってきた
点に成果があったと伊香賀教授は説明した。

部屋間の室温差が血圧に影響
まずは、家庭内での血圧と室温の関係から得られつつある2つの知見を見ていこう。調査期間は14年冬から17年冬までの3年間。測定に協力した居住者
は、約2100世帯、およそ3800人に上る。
第1の知見は、安定した室温と健康の関係だ。居間の室温が冬は18℃以上で夏は25℃未満である住宅に住む被験者を「室温安定群」とし、冬は18℃未満で
夏は25℃以上の住宅に住む被験者を「室温不安定群」と分類して比較した。

冬の室温で18℃を目安に選んだのは、英国保健省イングランド公衆衛生庁が発行する「イングランド防寒計画」を参考にしたためだ。
同書では、適切な暖房推奨温度を18℃としている。

分析の結果、起床時の血圧変動に違いがあることが分かった。
室温安定群の方が最高血圧、最低血圧とも冬と夏の間での差(季節差)が小さく、安定していた〔図1〕。
例えば、起床時の最高血圧の季節差は、室温不安定群で9.8mmHg、室温安定群で2.3mmHgとなった。


この結果について調査・解析小委員会では、「室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい」と評価している。

1℃の違いで血圧が低下
第2の知見は、冬の室温差と健康の関係から見えてきたもので、大きく2つのポイントがある。
1つは、居間と寝室の部屋間での室温差が健康に与える影響だ。
調査に参加した男性の平均的なデータを使って分析した。
起床時の寝室の室温を縦軸に、居間の室温を横軸に取り、起床時の最高血圧の数値を色で分類して血圧値の分布を示した〔図2〕。


まず、寝室と居間の室温がともに18℃のケースで起床時の最高血圧を調べたところ、130mmHgだった。
これに対し、寝室が10℃で居間が18℃の条件で起床時の最高血圧を見たところ、132mmHgだった。室温差がない場合と比べて2mmHg高かった。
室温差が血圧の上昇を招くという点を踏まえると、断熱性能を高めるなどして住宅全体を暖められるようにし、部屋間での室温差を減らす重要性が浮か
び上がってくる。

もう1つのポイントは、足元付近(床近傍)の室温が与える影響だ。
床上1m付近・近傍の室温と最高血圧・最低血圧との関係について、温度が1℃上昇した際の血圧の変化を調べた。検証は起床時と就寝時で行った。
その結果、起床時、就寝時のいずれも、床上1mの温度が1℃上昇する場合よりも床近傍の温度が1℃上昇する場合の方が血圧に良い影響を与えた〔図3〕。
例えば、起床時の最高血圧は、床上1mの場合は1℃の上昇で0.68mmHg下がったのに対し、床近傍で1℃上昇した場合は0.81mmHg下がった。

高断熱をうたう住宅でも、断熱施工が悪いと隙間風が侵入したり、暖かい空気が室内の上部に偏ってしまったりして、足元が寒い住宅となる。
足元の寒い住宅は血圧に悪い影響を与えかねない。

動脈硬化のリスクが減る
第3の知見は、断熱改修前後で比較した室温と健康との関係だ。
住宅を断熱改修する前後、および断熱改修の有無で検証した。
検証に協力した人は、断熱改修を実施した被験者975人と実施しなかった被験者108人だ。
断熱改修を実施した人を対象に収集したデータを改修前後で比較したところ、起床時の血圧に変化が現れていた〔図4〕。
改修前に比べて最高血圧は3.5mmHg、最低血圧は1.5mmHgそれぞれ低下した。
「断熱改修によって室温が上昇したのが要因の1つ」と調査・解析小委員会は評価する。


断熱改修による起床時の血圧の低下量を試算して、改修前の血圧の値と比べた。
断熱改修前に比べて改修後は最高血圧が3.5mmHg、最低血圧が1.5mmHg、それぞれ低下した

※有意水準 *p<0.05、**p<0.01
p値とは、帰無仮説(例:断熱改修前後で血圧が変わらない)が正しいと仮定した時に、観測した事象よりも極端なことが起こる確率。p値が小さいほど
帰無仮説に対する根拠はより大きくなる。
本調査において有意水準は5%未満としており、p値が5%よりも小さければ、帰無仮説を棄却し、5%未満で有意であるとする
さらに、室温の違いと血中のコレステロールの関係なども検証している。これが第4の知見だ。血管年齢や動脈硬化の指標を健康の目安とするために、
コレステロール値と心電図の異常所見の有無を分析した。
すると、室温が18℃未満の住宅は室温が18℃以上の住宅に比べて、動脈硬化などのリスクが高い傾向にあった。

分析に当たり、住宅を2つのタイプに分類。
午前5時における居間の室温を住宅の代表温度とみなし、室温が18℃以上の住宅を「温暖群」、18℃未満の住宅を「寒冷群」として比較した。
すると、総コレステロール値、LDLコレステロール値は寒冷群の住宅に住む人の方が高く、心電図の異常所見の数も多かった〔図5〕。

例えば、総コレステロール値が基準範囲を超える220mg/dL以上の割合は温暖群の結果を1とすると、寒冷群は2.6倍に上る。
心電図の異常所見がある割合も、寒冷群が1.9倍と高かった。

>断熱改修をすると血圧が下がる。

 血圧の高い私には良い結果ですね。

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建築   2019/06/25  

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